二階堂和美 nikaido kazumi

diary

2018.01.29

ご報告

先日アップさせていただいた「10ケ月」の記事に対して、
たくさんの方からあたたかいメッセージをいただきまして、
ほんとに、ありがとうございます!
感謝と感激でいっぱいになりました。

おかげさまで、昨日1月28日、元気な男の子を出産いたしました。

当日のお昼ごろ、遠く離れた国に暮らす友人から
「あれだけライブやなんやとスケジュールをこなし予定日までしっかりお腹にいるなんて
なんと腹の座ってることか」
とのメールをもらい、ああ、そう考えたらほんとにそうだ、と
早く出さなきゃとどこか焦っていた自分を反省していたら、しばらくして陣痛が始まりました。

3726gと、上の子よりは少し軽かったものの、今時にしてはまあまあ大きいほうで
(ちなみに私は4080gあったそうです)
6時の晩御飯を娘とシェアしながら完食して、さて、と病院着に着替えてから一時間弱、
ああ、そうか、こんな感じだったか、と、
一人目のときはなにがなんだかわからなかった手順をおさらいするように冷静に臨むことができました。
前回「ワンマンライブ一本くらいの勢い」との感想を持ちましたが、
今回は分娩室に入ってから16分、
いうなればワンマンというよりは、大きい会場でのゲストボーカル、あるいは、テレビ出演のような
「事は大きいが、短い」といった印象でした。
リハーサルから本番にかけて、じわじわと、そして突然にピークへと高まってゆく感じが、
やはりどこか、似ているように思います。
そんな感じで、ほんとにおかげさまで、母子ともに元気です。

来月には44歳となります。若くはない母親ですが、
かけがえのない新しいいのちを迎えさせていただいた縁をしかと受けとめ、
気を引き締めて、これからの日々を歩ませていただきたいと思います。

前回は『かぐや姫の物語』と重なって、アルバムだ、キャンペーンだと、
それこそなにがなんだか…の産後一年だったので
今回はもう少し余裕をもって味わえたらと思っています。
そうは言っても、ちらほらと皆様にお会いできる機会があるかと存じます。
妊娠中同様、授乳中は体調を崩しやすいので、本調子でないこともあるかもわかりません。
申し訳ない状態のこともあるかもしれませんが、
いずれにしても、その日の精一杯を尽くして歌わせていただくことだけはお約束します。
ってそんな不安定さ、プロとしては失格かもしれませんが(いや、あらゆる面でとっくに失格ですが)、
ほんとに、こんなわたしに付き合ってくださるみなさま、支えてくださる皆様に、心からありがとう!!です!!
ナンマンdub!

2018年1月29日 二階堂和美

ちなみに今晩26:00より、スペースシャワーTVにて、下記リピート放送があります。
(このとき妊娠8ケ月)
「カクバリズム 15 years Anniversary Special」オンエア情報!

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2018.01.24

『GFJB』リリースおめでとう!

本日1月24日、Gentle Forest Jazz Bandのニューアルバムが発売になります。
二階堂和美も一曲、ゲスト参加させてもらっています。
その経緯については、ふた月前、二階堂和美 with Gentle Forest Jazz Bandの活動をともすれば本人たち以上に愛してくれている、わがカクバリズムのスタッフが詳しく書いてくれていますが、
「NEWS 2017.11.24 Gentle Forest Jazz Bandのニューアルバムに二階堂和美がボーカル参加いたしました!]
自分が参加していようがいまいが、このアルバム、最高です。
これまでのジェントルのアルバムもよかったけれど、今回のこの勢いは、これまでのものとは比べものにならないくらいすさまじい。
それは音の迫力。大正解の録音方法。それが大成功。
きっと今後各インタビューとかで詳しく語られたものを目にできると思うけれど、
重ね録り、切り貼りによる修正が当たり前のこのご時世に、21人が「せーの」で、しかも同じ部屋で、もう絶対直しが効かないやり方で、1テイクか2テイクで決める。そんなことが出来るバンド、今ほんと少ないと思います。
しかもオリジナル曲でね。
『GOTTA-NI』もそれに近い形で進めたけれど、それでも音の小さい楽器は別の部屋で、とかがいくつかはあった。
バンドも活動10数年を重ね、ライブも録音の経験も重ね、ついにこういうことを成し遂げられたのかなあ、なんて、わたしが関わらせてもらったのは、ほんのこの2年のことだけど、思います。
とにかく、大きいスピーカーで、大きい音で聴いてください。
なんか、往年の、いわゆる本物のミュージシャンのアルバムみたいな、そういうすごみが感じられる。
私とこのGentle Forest Jazz Bandが、音楽でガチッと一体化できるのって、そこかなと思っているんだけど、
そのころのミュージシャンの心意気みたいなものを、現代できっちりやって見せたい、みたいなところ。
それを諦めない、しぶとさ。うざいくらい。多少手荒でも。
そして、楽しいのがいい!というところ。
便利な機器がどんどん発達して、どんどん動物的能力が落ちていってる私たちではあるだろうけれど、それでも、そこを鍛えていきたい。挑んでいたい。
生楽器のおもしろさ。声もそうだけど、身体と心とが直結してる楽器だからね、もろにでるよね、その人が。
今回のアルバムは、誰がソロを吹いてるかっていうのもCDのクレジットに書いてあるのがナイス。特設ページのメンバー全員のコメントと合わせて、そういうのも楽しめる。
だって、人がやってるんだもの。
シスターズも三者三様。みんな単独で聞くと声質やキャラクター全然違うのに、あんなにうまいことハモって・・・。ほんとに確かな音程と音量の加減。
インスト曲と歌もの曲のバランスもいい。歌ものにおける、ジェントル久保田の歌詞のセンスもまたすごい。絶妙にきもい。それがシスターズのちょっと現実離れしたキャラにぴったり。今回MVにもなってる「月見るドール」はそれを象徴してる曲だと思った。

私が歌わせてもらっている「いつも心にシャボン玉」は、私の方から「歌わせて」と志願した曲。
いや、アルバム収録を志願したわけではなくて、去年の1月、小松正夫さんがライブで歌っておられるのを聞いて感動して、その場でCDを買って帰って、そのCDにインストバージョンがついてたものだから、もうその晩、それを流しながら歌を重ねてiphoneで録って、ジェントル久保田に送りつけて、その10日後のライブのアンコールで歌わせてもらえないか、と相当におしつけがましくプッシュした。そんなに勢いづいて何かをすることはたまにしかないけれど、それくらい「スタンダードとしてひろめなきゃ」って使命感を持った名曲。
このアルバムでも小松さんと同じ高さで歌っているから、自分にとってはちょっと高いのだけど、そういうのも「あの頃」っぽいというか、40~60年代のスタンダードのムードでいいかなと思って、そのままやらせてもらった。自分の個性とかそういうのはどうでもよくて、「いい曲が広く伝わってほしい」という一心だったので、私の歌唱でアルバムにも収録してもらえるなんて、ほんとに願ってもないくらい嬉しい。口ずさむときは、みなさん好きな高さで歌ってください。それがスタンダード。

最初に彼らを知ってから約10年、そのエンタテイメント力に「彼らと一緒にやりたい」と思い続け、それが8年越しでかなって、それも”満を持して”だなって思えたけれど、お互いそうして重ねた時間というのがほんとに力となってるように思われる。
まさに、現代の日本が誇るべき、最高のビッグバンドだと思います。
これまでもいろんな方と、いろんな編成を経験させてもらってきたけど、
こんなに身体が喜ぶことって、ほんとにめったになかった。
ひとりひとりが相当敏腕なプレイヤーな上に、それがよってたかって、音の塊になったり抑制したり拡がったりして攻めてくるんだから、そりゃもうね。
大所帯バンドにおける「アレンジ」っていうのがものすごく重要だっていうことも、彼らとやるまで知らなかった。フリースタイルで押し通してきた自分には、そのこともすごく刺激的でした。
これだけきっちり固まってるのに、むしろ歌が自由でいられるわけは、考え抜かれたアレンジにあると気づかされました。
「私、音楽好きかも」と再確認させてくれたビッグバンド。
メジャーデビューされて、ますます活躍の場が拡がることを、一ファンとして楽しみにしています。
ビッグになっても、時々はまた一緒にやって下さい。

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2018.01.09

10ヶ月

11月のカクバリズム15thイベントを無事やり遂げることができたらお知らせしよう、
そう思っていながら、あれからまたふた月・・・。
今後のライブ予定が一件もあがっていない状態で何もご報告せぬまま、失礼しておりました。
そうこうして年を越し、1月。実は二人目の子の臨月を迎えております。
もういつ産まれてもよい(むしろ早く出しなさい)、と言われているような時期となりました。

ライブ予定があるうちは、ステージをご覧いただく皆さまをハラハラさせてしまわないようにと
公式発表は控えさせていただいておりましたが、
おかげさまで、このたびは大きなトラブルもなく、スタッフやメンバー、それとPOTTOさんの衣装に助けられ、
ここまで来ることができました。
とはいえ、事前に出演キャンセルをさせていただいたいくつかのイベントの関係者の皆さまには、
重ねてお詫びと、ご理解いただいたお礼を申し上げます。

今月、スペースシャワーTVの「DAX」にて、その11月5日のライブ映像が放送されるとのことで
一昨日、その映像(固定カメラの無編集ヴァージョン)を見せていただいたのですが、
スタッフに「遺作にしたいくらい」と伝えたほど、あの日の感動がぶわーっとよみがえってきました。
Gentle Forest Jazz Bandとの、2年間重ねてきた共演の集大成がここにあると同時に、
二階堂和美という歌い手が、「これがこの人の真骨頂だったんだな」ということを成し遂げている感があり、
客観的に「ここに辿り着いて、ほんと、よかったね~」と声をかけたくなる、そんなステージでした。
全曲・全編は放送されませんが、最後の「お別れの時」のエンディングでは、客席も込みで、引きのカメラが捉えてくれていて、それはもう、ほんとに、ありがたい光景でした。
あの日の感動を味わわせてくれたみなさん、そしてこれまでのすべての縁にお礼が言いたいです。
ほんとに、今日までありがとうございました。
角張社長が呼び込みMCで、
「安室奈美恵は40歳で引退しますけども、それももちろん美しいでございます、ただ、こちらの歌姫には60、70、80、90、100、そしてみなさんが死んだあと、冥土の国でも歌っていただきたい」
なんて紹介してくれているのも改めて聞いて、うまいこと言ってくれるね~と思いました。
まあ私は冥土というより、お浄土に生まれさせていただくつもりですが!

もうまもなく生まれてくる「予定」のいのちではあるものの、それが「無事」であるかどうか、
すべてのことは無常であるという仏法の教えを聞かせていただいている身には、未来やいのちの不確かさが我が心に問われ、安易には用いにくい言葉たちではあります。
いっそここまで報告しそびれたのなら、事後報告にしたほうが余計な心配をさせなくていいのではないか、
そんな思いもよぎりつつ、
たとえこの世に誕生していなくとも、確かに今、生きているいのちがここにあること、
それとともに歌わせてもらえたこの10ケ月であったことを、
感謝の気持ちを込めて、遅ればせながらここに報告させてください。

2018年1月9日 二階堂和美 

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