二階堂和美 nikaido kazumi

diary

2014.11.14

渋谷毅さんと

何年かぶりの渋谷毅さんとの共演、しかも今回は初めての渋谷毅オーケストラとの共演ということで、昨日のリハーサルまでは、正直なところ楽しみというよりは不安のほうが大きかった。
このひとつ前のブログ記事を9月のグローブ座の当日に楽屋で書いたときには、ほんとうに東京で今後の予定は入ってないと思い込んでいて、終演後、渋谷さんのスタッフさんやWWWのスタッフさんが現れて、「あ!!そうだった!間違えた!」と、そんな調子で、それから渋谷さんと連絡を取り、今月頭には品川駅で渋谷さんと待ち合わせた。駅構内のベンチに並んで座り、候補曲の曲名とそれの編成案だけが書かれた紙を二人で眺めながら、これどうですかね、これこうしようか、なんて話を少しだけして、無理にわざわざ会って話さなくてもよいような内容ではあったけれど、それでも渋谷さんは「よかった、元気が出た」といって横須賀線に乗っていき、私も、ああそうだったこういう感じだ、とすこしホッとして羽田空港に向かった。
それから、一度も楽譜や音源のやり取りはないまま、昨日スタジオに入った。
渋谷毅オーケストラのメンバーさんとも、外山さん以外、ほぼ初顔合わせ。
数年前に大阪のジャズクラブみたいなところに渋谷毅オーケストラのライブを見に行ったことがあって、それはほんとに、へええええ!!という、ちょっと味わったことのない面白さで、なにがどう面白いのか上手く言えないけれど、えへへへへへえ〜、とにやにやしながら唸ってしまう感じで、なんかわからんけど、かっこいい!という土産を持って帰った。
あの時のあの人たちが、渋谷さんを囲んでぐるりと半円に囲み、一曲ずつ、渋谷さんから譜面を配られては、私の曲を演奏していく昨日のリハーサル。
大御所の集まりに最初は緊張したけれど、いったん音を出せばそういうのが関係なくなるのが音楽はやっぱりいい。
私の曲の、でも全くだれも聴いたことのないアレンジが披露されていく。
やっぱり、へえええええ!!だ。うわーー!そうなんだ!えへへっへへええ〜〜。
と、にやにやしながら唸ってしまう。一音一音の存在感が。すごいんだな。
うわーーってなる。
それはもう、なんというか、味わったことのない快感で、不安はどこかへいってしまった。
すごくいいマットにごろんと倒れ込んだ感じ。

いや、そうは言っても不安は不安だけれど、なんせ皆さんきっと演奏前にアルコールが入られるし、きっと全然違う演奏になるんだよ。
ああ、久しぶりだ、そういうの。
と思ったら、なんだかスッと気が楽になって
とても楽しみになってきた。

昨日のリハーサルではみなさんアルコールは無しで、みんなでお弁当食べてるとき、
オケのマネージャーさんが
「この時間にシラフでこのメンバーをみるのははじめてかも」と言ってた。

私のライブではおなじみの曲たちが、えへへええーなアレンジで披露される。はず。
せっかく渋オケだからこんなんどうです?と、はじめてやらせてもらうカバーもあったりして、どれもこれも、聞き逃したらもったいない演奏。

さて、前置きが長くなりましたが、
この度の渋谷毅オーケストラのメンバーはこんな皆さん。

渋谷毅(piano,organ)・松風鉱一(flute,alto-sax,baritone-sax)
峰 厚介(tenor-sax)・津上研太(soprano-sax,alto-sax)・纐纈雅代(alto-sax)
松本治(trombone)・石渡明廣(guitar)・上村勝正(bass)・外山明(drums)

わははーー。すごいお顔ぶれ。みなさん超大御所っすよ。
(明日は林栄一さんはお休みで、お若い纐纈さんがご参加くださいます)

この度この組み合わせでやってくれと企画してくださったWWWのスタッフさんもリハーサルに同席くださって、動画のカメラを回しておられたようで、そのリハの様子がほんの少し見て頂けます。

すごい。動物園みたいだよ。
渋谷さんの後ろ姿が時々、1歳半の娘に見えました。
こんなメンバーを集めてオーケストラをやっておられる渋谷毅、
恐るべし。
と改めて思いました。
どうなるかわかりませんが、それが楽しみ。あははー
この共演、目撃しておいて損はない気がします。
渋谷さんがこの日のためだけにあんなにたくさんの曲のアレンジ譜を書いてくださったかと思うと、ほんとにもったいないことです。
それがまたいいんです。

前半は渋谷毅オーケストラ、後半は二階堂和美と渋谷毅オーケストラです。

にやにやしながら、舌を巻いてもらえると思います。

あと二時間を切ってますが、本日中なら前売り券扱いらしいです。
くわしくはこちら。
http://www-shibuya.jp/schedule/1411/005579.html

それでは明日、お時間のある人はWWWに集合でお願いします!
お待ちしています。

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2014.09.14

ほんとに来て☆

タイトルに「来てほしい」と打ったら☆になったのをみて、
あ、かえってそういう気分だ、と思ってそのまま採用してみました。

いまさらこんなところで書いたって効果はないけれど
ほんとに、今日明日の公演、
二階堂和美をこれまで見てきてくださった方、
初期からイベント等に誘ってくださっていた方、
また最近知ってくださった方、
みなさんに見て頂きたい。
特に、CDでは知っているけれどライブをまだ見てくださったことのない方には
ほんとに、是非とも、このライブを見に来てほしい。
二階堂和美のライブはこれだ、というのがやれそうな
きのうのリハを終えて、そう自信をもって言えるようになりました。

2日間ありますが、本編のセットリストは基本的に同じの予定です。
アンコールを頂いた場合の曲は変わるかもしれないです。
もはやそれがアンコールと呼ぶべきものかどうかわからないですが
そのくらい、あれやらこれやら、まあここは一応ですが、仕込みました。
大阪公演は前半後半分けましたが、東京公演は本編は一気にいきます。
あと、東京の2日間は、メンバーが少し違います。
今日は、黒瀬みどりさん(ピアノ)、ガンジーさん(ベース)、まるさん(バイオリン)、曽我大穂くん(ハーモニカ、フルート)、そしてあの、ASA−CHANGがドラムです!二階堂の弾き語りも大阪より増やします。
15日はさらに、スチールパン・パーカッションとしてにじみバンドをまとめ支えてくれた、山村誠一さんも揃っての7人編成。

東京での次の予定は全く入っていませんし、計画中のものも何もないので、
こんなメンバーが揃って、こんな素晴らしい劇場でやれることもほんとに
そうそうないですし、
それならもっと早くから、先行発売のとき、一般発売のとき、
この「ほんとに来て☆」するべきだったのも重々承知でほんとに反省しているんですけど
でも、手遅れでも言わずにはおられない、
ほんとに来て☆い!
先週の大阪公演を見てくださった方でも、もう一回見てほしいくらい。
両日ともまだお席に空き少しあるみたいなので、
もう予定が入っておられる方は仕方がないけれど
別に空席を埋めたいわけではなくって、単純に次のチャンスがないので
それなのに、あんまり宣伝してなかったなーって反省して今書いています
身体が空いておられたら、是非、おいで下さい!

じゃあ、その反省でじたばたするのはここまでにして、

歌いに行ってきます!

読んでくれてありがとう。

これが終わったら流行遅れのツイッターでも始めようかと密かに思っています

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2014.09.13

椅子席でのコンサートがしたかったのです。

img_00238_main.jpg何年か前に、ジムオルークさんとレコーディングでご一緒した時、
その数週間後に同じイベントに出演する予定もあり、その話題を出したら
全然認識しておられなかった。
「翌日の予定までしかおぼえられない。前の日に次の日のことを考える」
というような応えが返ってきて、
「へー!それでよくあれこれの企画こなせるなー」とひどく印象に残ったものでしたが、なるほど、今となってようやくその感覚に深く同意する次第です。

フジロックで大友良英さんのオーケストラ、
武道館でレキシ。
そんな大きなイベントの翌日には、地域の自治会納涼祭だったり、
この夏は地元での新曲レコーディングという大プロジェクトもあったりして、
日々、趣向の違うイベントや仕事も、先のジムさんよろしく、
どうにか乗り切ってきましたが、
他のイベントとは、まったくスタンスの違う、一世一代とも言えるコンサートが
いよいよ明後日に迫ってきました。
以下、フライヤーの裏面に寄せたコメントです。

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ファーストアルバム『にかたま』リリースから、
いつのまにやら15年を迎えました。
これまでつき合ってくださった皆さんに、ゆっくりじっくり、
歌を聴いていただきたい。
その念願叶ってこのたびの公演は椅子席でのお届けです。
近年、あうんの呼吸で支えてくれている演奏陣と繰り広げる
「二階堂和美 歌のパレード」。
あんな歌、こんな歌、存分に堪能していただけたら幸いです。
合掌。

歌:二階堂和美
piano:黒瀬みどり、violin:まるむし、flute,harmonica:曽我大穂、
bass:ガンジー西垣、steelpan,percussion:山村誠一(9/7,9/15のみ)、
drums、percussion:ASA-CHANG
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そもそも、『にじみ』のリリースツアーである2011年末の「にじみの旅」も、
昨年あちらこちらで出演させて頂いたテレビも、
ほぼいつも風邪をひいていた。
それがほんとうにくやしかった。
ちくしょう、これがプロじゃないってことか、と思った。

カクバリズムの社長であるカクバリ君が、
「ニカさん、ワンマンやりたいですか?」
「うーん、どうかな。もういいっちゃいいけど、一回東京でもちゃんと椅子席で、コンサートって感じのやりたかったな、広島では結構やってるけど、こっちじゃなかなかそういうのできないもんね」
「じゃあやりましょう」
みたいな話をしたのが一年くらい前でしょうか、
昨年末タワーレコード新宿でのインストアライブの時には「ワンマンを計画中なことは公表していいかどうか」みたいなことを楽屋で話したおぼえがあるから、
たしか、映画のキャンペーンの合間だったのでしょう。

それから場所と日取りが確定し、
まだまだたっぷり時間がある!しっかり仕込むぞー!と思っていたはずが、
もう明後日だって。

3週間前、レキシの武道館を見て感動するとともに、深く反省しました。
ああ、お客さんを楽しませるってこういうことか、と。

東京の立派な劇場で2日間。
「二階堂和美 歌のパレード〜いつのまにやら15年」 
サブタイトルに「15年」なんて先につけちゃったので、
なんとなくそういう選曲をしてしまいました。
広島では、もはやいつでもどこでも見られる二階堂和美、になっていますが、
今回の公演は、大きいけれど、しばられずに、やりたいと思っています。
そういうのん、もうしばらくやったことなかったので、大阪では動揺しました。
ああ、こんなふうに歌っていいのかー
と思いました。
ありがたかった。

明後日、明々後日、
心残りのないように、精一杯歌います。

なんせ、今は風邪ひいてませんもの!!!

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2014.02.20

かぐや姫の物語

あちらこちらで喋り尽くした反動で
自分のブログで全然触れそびれていたことに今気づいて
いま悪い夢でも見ているかのように猛烈に反省しています。
明日で上映が終わるところが多いようです。
とにかく、すごい作品だと思います。
映画館で見てほしい映画です。
長いですけど、長い分、何回か見て味わってほしい。

ってこれ、公開前に言うセリフでした。

いや、ものすごいあちこちで言ったから、こんなところで言っても言わなくても一緒か。

ともかくすごい映画で、
そのタッチは、声に似て
その動きは、音楽で
その話は、まさに私たちが限りあるいのちを生きていることを伝えてくれていて
そのエンディングを任せてもらったことは本当に、光栄というか、なんというか
ちょっと誤解を恐れず言ってしまうと、
もし私じゃない人がそこをやってたら、「そこは二階堂和美だったんじゃないの?」ってきっと私はまたそういうことを思っただろうし
高畑さんさすがだなーと思います。
私がエンディング曲を作り、歌わせてもらったことは、
この大作の中ではほんの些細な一部分ではありますが
出来得る限りの精一杯を尽くして、この映画の一部になれたことを
とても誇りに思っています。

たーくさんたーくさん受けたインタビューは、
当サイト内の「ジブリと私とかぐや姫」特設ページで紹介させてもらってたんですけど、
私自身もスタッフも追い切れてなくて、ここも途中で止まっています。
受けた取材は全然こんなもんじゃあなかったです。
http://www.nikaidokazumi.net/special/ghibli/

あまりにも多忙な時だったのでどれがどれか全然わからなくなってしまったし、どこでも似たようなことを喋ってしまった様な気もするけれど、
なかでも、磯部諒くんがまとめてくれた「クイックジャパン」誌がやっぱり一番すごいんじゃないだろうか。かなりのページ数だった。
記事を読ませてもらっていて私自身面白かった。さすが磯部君だなーと思った。
たしか12月に出た111号です。遅い、ごめんなさい。
唯一、高畑監督との対談も設けてくれて、
また私の過去10数年のライブ写真等も掲載してくれたり、
ありがとうございました。
http://www.ohtabooks.com/quickjapan/backnumber/2013/12/05183007.html

あと、前田隆弘さんによるテレビブロスのインタビューも、喋っていて楽しかったなあ。
ってこれも手遅れでしょうか。これも年末掲載だったような・・・。ごめんなさい。
その前田さんが取材をされてまとめられた本が出版されたことも、お知らせしそびれている気がします・・・一昨年の12月に出版されているはず。
http://www.amazon.co.jp/何歳まで生きますか-前田-隆弘/dp/489194997X
「何歳まで生きますか?」という本です。私は2009年と2012年と、2回に渡ってインタビューをしてもらっていて、それがこの本の最初と最後に掲載して頂いています。
その第一回目のほうのインタビューはわたしの「しゃべったり書いたり」という本にも転載されています。
あ、この「しゃべったり書いたり」も増版されてます。
しかも大友良英さんはじめ、大好きな方々が文章を寄せてくださっていて感激です。

あ、でもひとつ訂正、「何歳まで生きますか?」の中のリード文で、
「住職としての顔も持っていて」と書かれてありますが、
私は住職ではありません。住職はまだ父です。

それとか、小野島大さんとの話も楽しかったです。
それはReal Soundというところでの掲載で、WEB上でも読めるようです。
http://realsound.jp/2013/11/post-165.html

アルバムは逃げないのでまたでもいいんですけど、映画は明日までです。
DVDはもちろん出るけど、劇場で見るのが断然いいです。
ともかく、明日までの「かぐや姫の物語」、是非劇場でご覧になってください。

かぐや姫の物語 シアターリスト

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2014.02.07

映画「SAVE THE CLUB NOON」に寄せて

現在公開中の映画「SAVE THE CLUB NOON」が2月8日から広島の横川シネマでも公開になるということで、コメントを書かせて頂きました。
もともと、映画になっているイベントにも出演のお誘いを頂いていましたが予定が合わず、また映画へのコメント依頼も昨年11月に企画の佐伯慎亮くん(すばらしい写真を撮る人です!)から受けていたんですが、すっかりいまさらになってしまいました。すみません。
映画のオフィシャルサイトはこちら
http://savetheclubnoon.com/
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おかしい!としか言いようがなくて、
もっと気の利いた事を言ってみたいのだけれど
やっぱり、おかしい。
noonは2回しか出た事はないし
クラブイベントっていうのも、どちらかというと居心地が悪いというのが正直なところで
noonを救わなければならない義理人情はないけれど
踊らせたらいけないっていうのは
まったくもっておかしい。
中学生の頃、姉のカセットテープを盗み聞きして
その中でダントツに気に入ったのが
ブルーハーツの「ダンス・ナンバー」という曲で
「誰かが決めた ステップなんて 関係ないんだ デタラメでいいよ」
というフレーズにしびれて
自分の、踊りとも言えない変な踊りも密かに肯定できて
それが今へと続くひとつの大きな励ましでもあり
半径50センチくらいの円の中で踏むでたらめのステップが
自分を楽しませ続けてきたことを思うと
広いスペースがなければ踊ってはいけない法律は
全然解せない。
ほとんど失言の一種として国民に陳謝してもいいくらいの法律なのに
どうして現存して現行しているのか
即刻改正されるべき法律のひとつだと思います。
思うけれど、自分が何をしたらそうなるのかわからなくて
具体的な行動に移せぬまま日を送り
万事繰り合わせて映画を作った慎亮くんや宮本くんらはすごいや、と
せめてコメントくらい寄せさせてもらおうと思いながら
それさえ何ヶ月も送れず、
こういう私のような人任せの人が多いから
おかしいことがまかり通ってしまうのだと今一度反省して
もうこの映画も公開が半ば終わった頃になってしまったけれど
とにかく、風営法はおかしいと思っています。
くねくね、ゆらゆら、したいんです。
そこにスペースなんか、関係ないんです。
どうしてそれがわからないのかしら。

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