二階堂和美 nikaido kazumi

diary

2010.12.29

『solo』

image01.jpg『solo』というアルバムは、
ちょうど一年前の12月に作った。
録音は、一日。

師走。

東京に行く用事の、前2日ほど大阪に寄って、
いつものスタジオlublabで録ってもらう予定だった。

それが、その日自宅で朝起きたら喉が痛くて
一日キャンセルさせてもらって
耳鼻咽喉科に行って強力な薬をもらって、
さあ残る1日でがんばるぞと思って起きた朝、近しい方の突然の訃報が入り、
あれこれの予定をずらしてもらう電話をあちこちへかけ、
vermeer01.jpg午前中、お悔やみと臨終勤行を勤めてから大阪へ。
その晩から翌日の昼までで7曲録り、
聞き返す暇もなく戻ってお通夜にかけこみ、
すぐに着替えて広島空港から最終便で東京に向かい、半日ずらしてもらった東京での用件に合流する予定だったが、積雪対策用の道路工事をしていて高速道路が大渋滞。
途中何度もレーベルスタッフに電話をかけ、遅れるけど行くからと空港に連絡しといてと頼み、
死ぬかもと思うようなスピードで車を走らせ、
離陸時間ジャストにカウンターに滑り込むも、
当然ながら、最終便は既に飛び立っていた。

方々に迷惑をかけてまでお通夜を勤めたいと願ったわがままがあだとなったことに、
いろんな感情があふれてきて空港カウンターでへたりこんでしまい
哀れんだ職員さんがホテルを予約してくれ、タクシー乗り場まで付き添ってくれた。
翌朝の便で東京に行って平謝り
その翌日、広島に戻って、自分のイベント
イベントそのものより、15人もうちに泊まって行ったことが驚異だった。
気持ちを切り替え、鴬谷の劇場でゲスト出演するショーの演目を練習&本番。
その間にミックスを仕上げてもらい
浅草のホテルで、パソコンに送られてきた音源をイヤホンで確認しただけで、
その翌日マスタリング。
マスタリング・スタジオも、クリスマスイブのその日だけ空いていた。
KAKU-036.jpgそのスタジオでの待ち時間で
ジャケット案を相談
その場で大阪のカメラマンに電話をかけ、
しあさって、空いてるか? たまたま空いてる
スタジオは、空いてるか? たまたま空いてる
と、とんとん拍子で話が進み
その帰りの足で再び大阪に寄り写真を撮って
素材揃えは終了。
ただでさえ慌ただしかったはずの10日余り。
内心無理と踏んでた強行スケジュールが不思議に遂行できた。

そんなに急いたのには、具体的な目的があった。

vermeer.jpg今年1月、スコットランドの町グラスゴーで開催される、ケルト音楽の祭典に呼んでもらっていた。
それにあたり、持って行くのにこれというCDがないから、ちょっと臨時に作ろうと思う、とカクバリくんにもちかけた。

これまでも、ライブ会場でCDを販売する際、
特に海外で、
「今日のあなたのライブ、とってもよかったわ。今日のに一番近いのはどれ?」
と聞かれて、それに相当するのが無い、という場面に出くわすことが頻繁にあった。
確かに、10年も弾き語りでやってて
そういう音源がないのは不自然だった。
「一番近いのは、U.S.tourのBOXの、disc2です。」なんて言ってみても
そんなバカ正直な答えを求められているわけではないのもわかっていたし
いつも困っていた そんなのが何年も解消されぬまま後回しになっていた。

今回の海外公演を機に、勢いでそれをやってしまおう、と思った。

2009年という年は、『ニカセトラ』のツアーを弾き語りで回ることから始まった年でもあり、弾き語りスタイルへの情味を取り戻しつつあった。
6月に、くるりトリビュートの曲の弾き語りをlublabで録音した感触もよかった。
が秋口から、neco眠るのゲストでハンドマイクのみでステージに立つ機会が増えたり
ピアニストのみどりさんと出会ったことなどから
また弾き語りから遠のきそうな予感も出てきた。

これから、弾き語りはあまりやらなくなるかも
弾き語りのアルバムを作るなら、今しかない、と思った。

ライブでやっている曲を「あれはどれに入ってる?」と売り場で問うてもらっても
それらがちゃんとアルバムとしてリリースされるには、わたしのペースでは少なくとももう一年はかかる。

やっぱ作ろう。弾き語りの、とりあえず。と思った。
時間はなくても、ないなりに。
ライブが一本よけいに入っただけ、と思えばできる。
2009年12月の、とある一日のライブ盤みたいなもの。

288door.jpgもっとうまく歌えるのになあ、
vermeer5.jpgと思う箇所も多々ある
が、そんな不完全な姿を、
当時も今もライブではお見せしていたわけで
そこで販売するものだから
「今日のライブに
 一番近いもの」
としては、
まさにそれである。

そういうものをやっと存在させることができた。

が、それがライブ会場だけでなくて、お店でも販売されることになった。
もっとじょうずに歌えただろうに と やはり思ったが
それを待っていたら、多分この一枚は出せていなかった。

2010年に入り、ますますギターを弾かなくなった。
今やれと言われても、やっぱり上手には弾き語りできてないだろう。

だから、二階堂和美のソロなんていうのは、あの程度なのだ。

あれで、自分に見切りがつけられて、その先に進めた。

だからやっぱりあれは出してもらえてよかった。

31_Jan_Vermeer_van_Delft.jpg胸が締め付けられる思いがするので、
まだ両手で数えられるほどしか聴いていないが
まぎれもなく、あれは自分だ。
曲も、自分で作詞作曲したものだけにした。

『二階堂和美のアルバム』を作っている時、
同じ収録曲を弾き語りバージョンで出そうという話も進行していて
でも『ハミングスイッチ』のリリースが浮上して、その話はどこかへ行ってしまった。
タイミングとはそういうものなのだろう。
そういうのがたくさんある。
乗りかかったときにやっておかなければ、
またおいてしまう。
人生はきっとそれの繰り返しだ。

solo裏.jpg『solo』では、ジャケットもこうしたいというイメージを珍しくはっきり持っていた。
このスタジオlublabの、床の市松模様と部屋の配色、
コントロールルームからモニター映像でみるその画が
オランダの画家、フェルメールみたい と
5,6年前、はじめて訪れた時から思っていた。
いつか、この画をなにかに使いたいと思っていた。
カメラマンの井上嘉和さんがそんな写真を撮ってくれ、デザインの佐藤穣太さんがますますそれらしくしてくれた。
さらにレーベルオーナーのカクバリくんが一回り大きいサイズのパッケージにしてくれ、
当初の海外盤より立派な装丁で日本盤が完成した。

立地も趣味も、そもそもスタジオの主とフェルメールって
どうやっても接点のない感じで、むしろおかしいくらいなのに、
いちいち、どことなく、重なる。
というのをlublab出入りの人は誰もとりあってくれないので、
写真をちりばめてみました。
どうでしょうか。
大阪日本橋。電気屋街の一本はずれ。

歌詞カードの裏の写真だけは、もろこのへんっぽい。
あの写真の、前後コマはこんな感じ(すべて井上嘉和さん撮影)
114.jpg115.jpg116.jpg117.jpg118.jpg

119.jpg

今、新しいアルバムで
私はまだ一曲もギターを弾いてないし、いまのところ弾く予定も無いけれど
あのへたくそなギターでも、あれが無かったら
今のように歌えてもいなかっただろう。
他に誰もいなかったから、やむなく編み出された芸風もある。
足りないものだらけの中で、
あるものは、自分の身体とアコースティックギターのみだった。

持ち運びに便利、持ってる人が多いから借りられる、
そのポピュラーさでアコースティックギターにお伴のやり玉があがって
10年以上やってるはずなのに、まだFやBさえ押さえられていないし
スペアのギターも持っていないし
時には宅急便で送ってしまうし
新幹線の網棚に忘れたこともあるし
そもそも「弾き語り」という言葉も好きではなかったし
フォークミュージックもほとんど聴いたことがなかったし
ほんとに、弾き語りを名乗るのもはばかられて年月を過ごしてきましたが、
でも、ギターを抱えていないと出ない声もある
歌いたいほうが強くて、ギターには悪いことばかりしてきたけれど
人前で歌うということを続けさせてくれたこのスタイルに
今、お礼を言いたい。

そしてやっぱり、アコースティックギターの響きは好きだし
シンプルなものが好きです

足りないくらいが、好きなのです

わたしにとって、この『solo』という一枚は
ものすごく大きな節目としてあります。

カクバリズムさん、出してくれてありがとう。
そして、何の宣伝も、インタビューも、オビもシールもついてないこの『solo』を
手に取って聴いてくださった方々へ
扱おうとしてくださったお店の方々へ
聴こうと、扱おうと、思ってくださったその、
なんでしょうか
ほんとうに なんであったとしても こればっかりは
伝えるのに一年経ってしまいましたが
心からありがとうという気持ちでいっぱいです。

ほんとに、ありがとうございました。

新しいアルバムは
『solo』に引き続き、lublabのエンジニア陣、カクバリズム、
そして先日のワンマンの親愛なるバンドのメンバー+Max土居さん(Perc)らとともに取り組んでいます。
『solo』の中の曲もいくつか重複します。
jazzやsoulの曲が、何度もアレンジ違いで録音されるように

楽しみにしていてください

自信を持って言えるアルバムにします。

なんとか、リリースされた今年中に書けました!
って、振り返ってるのが2009年の出来事・・・
なんか間違っているような気がする

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2010.12.27

足りないことの前置きのはずだった

一昨日朝、今年初めての雪を見た。
寝ている部屋から食堂に行くのに、一瞬外を通る。
夜こもっている部屋から寝に行くのにも、やはりそこを通らねば行かれない。
ほんの、2歩だけの渡り廊下。
部屋の中よりも外のほうがぬるい日
風の強い日
月明かりの輝く夜
いろんな気象状況をその2歩の間で、家に居るときは毎日必ず体験できる。

雪もそこで見た。
「寒いね〜!雪が降りよるよ」
「え〜?!」
2階から1階に降りてくるだけの母はまだ知らなかった。
窓ごしとはちがう、空気というのがある。

こないだ、友人らと雑談している中で
宇宙に行きたいという人があって、
私も宇宙飛行士を目指そうかと思ったこともあるくらい好きだ
だが、誰でもかれでも行けないほうがいい
みたいなことを私がしゃべって意外がられた。
もちろん誰でもかれでものほうに自分は入っている。
海外旅行も
誰でもかれでも行けるようになってしまって
たぶん いろんなものが失われた

わたしは海外の旅先で、それほど積極的に人に話しかけたりできない
最近はテレビでもBSの番組とか増えて、旅番組に出会う事が多い
取材班の人たちは、私たちがただ旅行しても行けないようなところも行ってくれるし
聞き出せない話なども聞かせてくれる
じゃあもう それでいっか。
ってことにしようよ、みたいなのがわたしの言い分。
でもそれはやっぱり「我慢しましょう」的な、今どき無理のある話で
ほんとはわたしだって行きたい
っていうのを、
その渡り廊下で空気にあたるのと窓越しに見るのとでは全然受け取るものが違う
というところで、再確認した

でもやっぱり飛行機がじゃんじゃん飛べば、空気が汚れる
遺跡にじゃんじゃん人が訪れれば、大事なものが失われてゆく

もみじまんじゅうで有名な、紅葉の名所の宮島のもみじの木が
実は大方が生育不良で、その原因が、大勢の観光客によって土が踏み固められてしまったためと調査結果がでたのを新聞で読んで
この夏、青森へ行って「奇跡のりんご」の木村秋則さんのりんご畑を訪れた時、
その理由で、畑を歩いてほしくないと言われた
その理由で、重い機械を使わないと本で読んだ
土が大事という話

自分の目で、肌で、感じたい
と思うのは、当然で、ほんとにそうしたいんだけど
こっちの希望だけでなくて
相手の事も考えたら
やっぱり辛抱しないといけないこともたくさんあるのだ

昨日、今年亡くなった方を振り返る番組をテレビでやっていて
昭和30年代でさえ辛抱っていう考え方が死にかけていた時代、今はもう完全になくなっちゃったんじゃないか、みたいなことをコラムニストの方が言ってた

わたしも5年くらい前に親と大げんかしたときに
「我慢しなさい」と言われて
全然理解できない と思った
そういう世代なのだろう

我慢は、いつか爆発するからしない方がいい
というフレーズを、しめた!とばかりに仏教の講義の中で聞いた
きっとそのフレーズの先にもなにか大事なオチがあったはずだが、忘れた
まあそもそも我慢は高慢とか傲慢とか我がままとかの類の言葉だ

日常に追われ埋もれていたら見えなくなっていることを、旅は教えてくれる
辛抱が必要だ、ということに気づかせてくれるならば
その旅はとてもいい旅なのではないか

辛さを抱き抱える

辛抱 に、割と前向きなニュアンスも感じ始めた今日この頃

寒いけど、厚着しまくって暖房使わないように辛抱してみています
ちょっとちがうか

身体は着込んで大丈夫でも
指先の冷たさに寒さを知る
それで、手袋はめて、キーボードを打つ

『solo』のことをかくつもりでここへきて
今朝のつぶやきを書いてみただけなのに
わたしはどうも短い文章にまとめる能力が低いのです
でも、大穂くんに教えてもらった
横尾忠則さんのツイッターがおもしろいよと
こないだ私が運転していて、後部座席の大穂がいくつか音読してくれて
それはすごくおもしろかった
「好奇心をそそる仕事がくればくるほど面倒臭くて断ってしまう」って
あっは!それ私じゃん
「好奇心にすぐ飛びつかないようにしている。好奇心は時には自分自身を狂わす場合がある。」
うわ、それも
普段感じているけど言葉にしてないことが端的に短い言葉になって
次々に読み上げられて、
すごい気持ちがよくて笑った

おもしろい話を人から伝え聞くのが好きだ

だから旅番組でもいいや

辛抱する中に、想像力が育まれる

そんなよいところもある

そういうのが好きだから 仕方ない
そういう、ちょっと足りない状態

『solo』というアルバムは、
ちょうど一年前の12月に作った。
録音は、一日。
(つづく)

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2010.12.26

おばあちゃんとM1

両親と一緒に(父はうたた寝してたが)「坂の上の雲」を熱中して見ていて
8時半になったので、ばあちゃんの薬を出すためにばあちゃんの部屋に行ったら
M1の最終決戦が始まるところで
1組目の人も
3組目の人も 初めて見た
笑い飯だけ知ってた
何回かM1で見ていた
何年か前に「ないなあないなあ」って靴箱をあさるネタで、めっちゃおもろい!って泣いて笑ったのに優勝しなかったのを憶えているが
その後みるといつも最終決戦のネタがいまいちおもしろくなくて
今日も私がみたネタはべつに面白くなかったけど
おばあちゃんと一緒にみて、私が時々笑って
「私はスリムなんとかがおもしろかったけどねえ」と言ったら
「何番目にでたぶん?」「一番目よ」とかなんとか言って
「ああ どきどきするねえ」と
CMが挟まれば、「そりゃ宣伝が大事」とか
最後、彼らが優勝して賞金のパネルを手にしているのを見て
「一千万円ゆうたら、一万円札が何枚?」
「うーんと、百枚、は百万円か、あ、千枚よ千枚、そりゃそうか。」
「ひゃー、そりゃあ、ひとりじめせんと、だいしょう(それなりに)ほかのひとらあにもおごらんにゃあいけんねえ」
とえらくその使い道の心配をしていた
笑い飯が9年連続決勝に出てるのに優勝できてないことや、審査員の松本さんが「とらせてあげたい」と言ってたよ、などと説明してあげたら、涙をうかべて、よかったねよかったね、情味があるね、ええとこがあるねと二人で笑い飯の優勝を喜んだ。
「坂の上の雲」を打ち切って、こっちにきてここでばあちゃんとM1の最後に立ち会えてよかったなと思った。
なんとなく、これを記しておきたくなった。無理にここに書かなくてもいいのだが。

ばあちゃんは、漫才が結構好きらしい
今のお笑い番組はついていけないみたいだけど
一年くらい前、「すべらない話」を一緒に見ていて
これはおもしろいね と言ってた
へえ、わかるのか!とびっくりしたが
なるほど、確かにふつうに自分に話をしてもらっている感じで聞けるもんな、あの番組は、だから、年寄りでもおもしろく入れるのだ
やはりおもしろい話が聞きたいのだ
私もコントではあまり笑えない
話がおもしろいのが好きだ

もっとテレビで、年寄りが楽しめる番組をやってほしい
BS含め、あんなに局がたくさんあるのに
年寄り向きの番組やってるところがない
一日中部屋でテレビをつけているのは
家から出かけられない80歳90歳なのだから
そういう局があったら親切だけどなあ
教育テレビで子ども向きのをやる親切心があるなら
年寄り向きのをもっとやってもいいじゃないか
欽ちゃんものの再放送とか、昔むかしの歌番組とか漫才とか
オール阪神巨人とかやすきよとか、見たいと言ってる
もし番組ディレクターさんとかいたら、よろしくお願いします。
DVDを買え?でもいつでも再生できるというのは、非常につまらないものです
いついつの何時にある、というのがいいのだ
94歳のうちのばあちゃんが楽しみにしている番組は
火曜日8時のNHK歌謡ショーと
金曜日9時BSの綾小路きみまろさん司会の番組
日曜日ののど自慢
あと、安住アナが出てたり、ナインティナインも贔屓
加山雄三さん、氷川きよしくんが出てたらめちゃ喜ぶ
かなり王道
でもひばりさんはあまりすきじゃないらしい

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2010.12.22

着手記念ワンマン終演

もうほんとにありがとうございました。
なんか、長年の理想がほぼ実現してしまって
ちょっと目標を見失う みたいな感じになりそうでした

東京でのライブを終えた日、
なんか知らんけど、楽屋に最後一人残されて
だれもおらんくなって
あとから気づいたら、ひとりだけスタッフの女の子が廊下で待っててくれたんだけど
なんか いっつも最後 ぽつんとなって
へんな感じになる
広島でもそうだった
ライブハウスの、顔も見た事ないスタッフさんたちが突然現れて掃除してる中に
自分だけ よそもんが残ってて、あわあわ自分の荷物の後片付けしていて
一瞬 ひゅっ となんか
なんで、いっつもだれもおらんくなる瞬間があるんだろう?
ちょっと 不可解な静けさ
うーん なんだろうあれは

華やかな舞台の後 しばらく興奮して
そのあとに訪れる放心かな

なんか 顔も知らないスタッフさんが出てくる不気味さを払拭するように
差し入れでいただいたお菓子を配ってみて、人間である事を確認して帰る

東京のライブでの失態は
openからstartまで、素敵な音楽でフロアを暖めてくれたDJクボタタケシさんを
ご紹介しそびれたこと。
ほんとに申し訳ないです!
楽屋で、ものすごい大音量で楽しませてもらっていました。
あと、企画のカクバリズムへの謝辞も述べてなかったです。
このライブを既成事実として置いてくれたおかげで
アルバムの事も具体的に動き出せたナイスアイデア。
メンバー紹介し始めた、一人目のときには頭にあるのに、最後には忘れてる
ばかです
広島では、カクバリズムCEO、カクバリワタルさんがDJしてくれました。
クボタタケシさん、カクバリズムさん ほんとにありがとうございました!!

広島でのうっかりは、アンコールの曲中で投げようと思って仕込んだみかんの箱を
持って出るの忘れたこと。曲の途中で気づいたけど、間奏がもうなかったので
終演後に配りました。山口県周防大島のみかんでした。

新築の棟上げでお餅をまく、みたいな
なんかめでたそう 「蒔く」って

今日は冬至です。
うれしい!!!
あしたからは、いよいよ日照時間も上り調子だー!
わーい!

ほんとに、ほんとに

見届けにきてくれて、ありがとう!!!!
幸せすぎるくらい 幸せでした。

今日まで生きられて、よかったと思いました。

でもこのアルバムだけは作り終えてから死にたい。
レコーディングも3分の1くらい 済みました。

なんかね 私がやらなくても 私の出したいもの 出そうとしてたもの
ぱああって作ってくれるんですよ
そう、それ。そう、いま!っていう時に
その音が鳴ってる
というか その空気がそこにできてる

いろいろしみじみしたいところですが
現在進行形の録音と新曲にたくします。
あしたから日が長くなるから!!

あしたの博多でのライブで、今年のライブは終了!
あしたは、ピアノとのデュオです。

1月の「うたのイワト」、
5年連続でやらせてもらった、
わたしにとって初めての”恒例”とか”定例”のイベントでしたが
シアターイワトでやるのは今年が最後です。
RECメンバーからの、しみじみ編成。
少々寒い&尻の痛い思いをさせますが、それも最後のイワト。
25日13:00、チケット予約開始です。

時は待ってくれないなあ

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2010.12.22

二象舎のオートマタ@青山スパイラル

cat3.jpgオートマタって、からくり人形の事ですが、こういうので、例えば「CAT」

二象舎という名前で、山口県のど田舎にある工房でちっさいからくりを考えては作っている彼らから、こういう人形の世界を知って、心打たれて自分でも「THE SHOES OF FRED ASTAIRE」を買いました。

とっておきの贈り物におすすめなので、
あと3日しかないけど、お近くの方は是非見るだけでも、行って回してみてください。

『ワンダーランド』
■会期 2010年12月6日(月)~12月25日(土)
■会場 スパイラルマーケット(東京 青山)
   【spiral market selection】スペース
■時間 11:00~20:00(最終日は19:30)まで

2010年スパイラルマーケットのクリスマスは『ワンダーランド』。 遊園地のような楽しい空間で、大切な方へのギフトや自分のために、店内を満喫して頂けたらと思っています。そんなマーケットを象徴するクリエイターのためのスペースSpiral market selectionでは、各作家による、ぬくもりに あふれた作品をご紹介。 毎日をにっこりと、くすりと過ごせるような、心がほっと あたたかくなる作品たちをご紹介します。

■参加作家 原田和明(二象舎) / 外間宏政(The Dandelion Press Bear)

展覧会詳細 二象舎WEB

ちなみに、ここの最後の10秒に、彼らが作ってくれた二階堂和美オートマタ(非売品)が登場してます。まわしているのは持ち主の私です。
って誰があげてくれたか知らない動画にリンクするのもなんですが・・・
『ニカセトラ』の初回特典用のダイジェストDVD。ちょうど冬〜春編だ。
今日は冬至!

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2010.12.09

友人の個展

7月の大阪の個展、コメント寄せたのに見に行けなかったので今度こそ。
明日、私も新幹線のって行きます。東京で12日まで。
鈴木君デザインの二階堂和美グッズがワンマンで並ぶとか並ばないとか。

jpeg.jpegカクバリズムpresents
<鈴木裕之個展「マージナル塩梅式」>
日時:12月4日〜12月12日
時間:13時〜20時(予定)
作家在廊予定日:12月4、5日、11日、12日
場所:NO.12 GALLERY

ノートやテスト用紙の隅っこ、またはチラシの裏側などに描く超馬鹿馬鹿しい落書き小宇宙。そんな落書き?絵?をずっと描いていたら、ヘンテコな絵がいっぱいに。無意味な意味深、思わせぶりで不安定。年寄りor老人的PUNK精神。
非常にロンリーな最後の極北イラストレーター鈴木裕之によるアホらしくも愛くるしい?絵の数々。そんな個展「マージナル塩梅式」をどうぞお楽しみください。

※なお12日は二階堂和美のワンマンライブに来てくれるということで、17時には終了予定だそうです。お気をつけください。12日昼間には鈴木裕之+栗原ペダル+森雄大で紙芝居バンド「バカ卍」のライブなどフィナーレ企画も予定されてるそうですので、はしごでどうぞ!

鈴木裕之
カクバリズム
No12GALLERY
*********************************

こちらも12日まで。これも行ける。
『Nikaido Kazumi U.S.tour 2003』BOXのDVDと写真を撮ったのが浅井真理子。

asai_mariko101019.jpg

浅井 真理子
beautiful town (plenty of empty)
2010年11月12日(金)~12月12日(日)※会期中無休         
10:00~20:00(最終日は17:00閉場)
東京国際フォーラムB棟1階アートショップ内
主 催:エキジビション・スペース

現代美術作家・浅井真理子氏の個展を開催します。
作家自身とその家族友人等、彼女に関わる人々が実際に服用した薬品のパッケージを使って作られた「美しい街(beautiful town)」は風に吹かれてゆらゆらと揺れます。

   薬品は人々を苦しみから救います。
   しかしその一方で人々を壊してゆく危険性もはらんでいます。
   一見かわいらしいおもちゃのように揺れるその街に、
   安易な安住の答えを見つけるのは難しそうです。
                (作家のコメント)

今回は約60㎡の会場一杯に、このbeautiful townを床から1メートルほどの高さに設置し、潜りこんで、作品の風景に身を置き、鑑賞する作品です。風に揺れる薬のパッケージで作られた家々、それは単に楽しいカラフルな賑やかな街ではなく、本来は、守ってくれるはずの「家」や「薬」、その在り方について考えさせられる含みある作品です。

会期中、ワークショップにて千代田区の神田児童館のこどもたちと一緒に制作した beautiful townがアートショップ内に展示されます。【11月25日(木)~12月9日(木)】

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2010.12.09

ワンマン前説

びっくりじゃのう。
こないだ大阪でメンバーと稽古をやって、まだ3週間近くあるわ、と思っていたのにもう3日後。
しかも、11月18日に書いた「尾道で」というDialyの記事がちゃんとアップされてなかったことに、たった今気がついた。ダサいなあ自分。めずらしく感動をすぐに書いたと思ったらこれだ・・・トホホ

おととい&昨日と、お寺の年中行事で一番重きを置く親鸞聖人のご法事である報恩講法座というのをおつとめしまして一安心。
5月に録ったタラジェーンオニールとのアルバムをほぼ完成させて二安心。

そしてそしていよいよ、ワンマンです。一気に、アルバムの吹き込みもやります。
もうあと3日しかないし、いまさらここで意気込みをかいても後の祭りに限りなく近いですが、今回のワンマンライブへの熱意をやはり書いておきます。

今回のワンマンは気合いが違う。違うと言っては他のイベントに失礼ですが、
フェスやイベントとワンマンが違うのはまあ当たり前で、ホテルや友人宅で眠る睡眠と、自分の布団で寝る睡眠が違うようにそれは違う。いくら高級リゾートホテルであっても、自分の布団で寝る睡眠は格別。いい悪いは別として、別格なのだ。

今回はただのワンマンでもない。
なんせ、アルバムの着手記念ワンマンライブ。
そんな命名はしていなかったけれど、自分の中ではそういうタイトルで構想を練っていた。
新曲をやる、ということ。自作曲をやるということ。
最近のライブにお越し下さってる方や、臨時発売された「solo」を聞いてくださってる方には既に耳馴染みのある曲も、ここでは新曲と言ってしまいますが、
ここひと月で仕上がった、まさに新曲も増えつつ
そして今もまだもう1曲、もう1曲・・・間に合うかな、どうかな。
自分で曲を作っているのは「またおとしましたよ」以来。
それからの数年、公私ともにいろんな事を経験させてもらって
カバーや人の作った歌もたくさん歌わせてもらって
懐メロしかやらないステージなんかもやりはじめてみて
リアルタイムでそれらの曲が入っているお年寄りを目の当たりにして
歌のすごさを知って
バンドで歌う楽しさを知って
ピアニストのパートナーを見つけてギターも弾かなくなって
歌手に徹していた昨今
そしたら改めて自分でも曲が作りたくなってしまった

昨年はじめた広島でのライブイベント、”堂脈”
今回、自分が作った曲を演奏してもらいたい人、
あるいは作る前から、あの人と演奏したい、と思って浮かべた人たちは
図らずもみんな堂脈でお招きした方々ばかりなことに、後から気がついた。
こないだから、稽古に集まるたびに感動が深まる。
なんていいメンバーに集まってもらっているんだろうか。
いまこれ日本一なんじゃないか?と思い上がりそうになるほど

沖縄、広島、大阪、東京・・・みんな住んでるところは散り散り
そもそもバンドのつもりじゃなく、それぞれに曲ごとに声をかけたのですが
ふたをあけてみたら、みんな繋がってた!じゃあ一緒に演奏しちゃおう!というような、なんとも気持ちのいい流れで事が運んでいます。
好きな人と好きな人はよく繋がるのでもう最近は驚かない。
やっぱりね!と、いちいちうれしさをかみしめる

今回のこの”着手記念”ワンマン企画は、渋谷クアトロと広島クアトロのみでの開催。
12日に東京、19日に広島。その間に大阪でアルバムのレコーディングをしてしまおうという、超ホットな一週間が、まもなく始まろうとしている。
アルバムにもライブにも、互いにその熱を伝えられる、”発売記念”にはないホットさ!・・・のはず。
立ち会ってくださった皆さんからもらうエネルギーを、
続くレコーディングに注入して
アルバムでお返しできるのではないか。
そんな着手記念です。
わくわく、どきどきしています。
正直なところ、もう1週間ほしいけど、足りないところは補ってもらおう
過去の曲に、メンバーに、スタッフに、お客さんからのエネルギーに

ラフな歌謡ショー。に、なったら成功だけど。
日曜の6時から2時間弱。お楽しみいただけると幸いです!
ライブの前説でした。
野暮。

あ、大阪。稽古や録音の舞台なのに、ライブ企画してなくて
もし、見たかったのに、という方いたら、ごめんなさい。
________________

カクバリズムpresents
二階堂和美のワンマンライブ2010
12月12日(日)17:00 open /18:00 start
渋谷クラブクアトロ
前売 3,000円 / 当日 3,500円(ドリンク代別)

12月19日(日)
7:00 open /18:00 start
広島クラブクアトロ
前売 2,500円 / 当日 3,000円(ドリンク代別)

サポートメンバー:
黒瀬みどり(Piano)
ガンジー西垣(Bass/from CINEMA dub MONKS)
曽我大穂(Flute, Harmonica etc./from CINEMA dub MONKS)
山村誠一(Steel pan, Percussion/from Rustic pans, さえずりな夜)
まるむし(Violin/from みにまむす,赤犬)

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2010.11.18

尾道で

CINEMA dub MONKSのお二人に会いに、先週末尾道に行った。
Paraisoでのライブ、最高だった。ほんとに素晴らしかった。
1時間ばかりだったが、こんないい音楽に身を浸けた時間を過ごせて幸せだった。
Paraisoの深煎珈琲もめちゃめちゃおいしかった。
なんかお酒みたいというか、果実酒というか、実をしぼった感じのカラフルな珈琲だった。
一泊二日、はじめて尾道を味わった。れいこう堂さんにも始めて行けた。
帰り、終電に乗ったら、寝過ごして終点まで行ってしまった。

尾道といえば広島でも人気の町、今朝もNHKの番組で紹介されていた。
でもほとんどゆっくり行ったことがなかった。
2006年の「Lovers Rock」のPVロケ地ではあるが、人目を気にしないようにと思って歩いている時は全く何も目に入っていなかった。
ただ、監督の島田大介さんが、ものすごい忙しいはずなのに、たかが1時間程度の打ち合わせのために広島まで日帰りで来てくれた感動は鮮明に憶えている。

今回の尾道は、CdMのライブを見たいというのももちろんありつつ、もうひとつの目的は、私の新曲のセッションのため。「こんな曲なんだけど・・・」と言って歌ってみせながら、徐々に音を合わせてもらっていくあの感じ。
元々のイメージを追いかけたり、まったく予想外のものが出てきたのを拾ったり。
音楽やっていて一番好きな時間。
Paraisoさん、ありがとう。
アルバムにむけ、ライブにむけ。
毎日自分の曲のことを考えさせてもらっている贅沢なこのごろ。
出来ることならば今度のワンマンは全新曲にしたいという気持ちではありますが
どこまでいけるか。

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2010.11.09

一緒に歩くよ

写真は藤井よしえの38回目の誕生日 よしえの自宅にて
いつどんなタイミングで会いにいったらいいのか機会をうかがっていたが、我ながら突如名案を思いつき、救済コンピの発売日ということで知った彼女の誕生日、おそらく友人が集まるに違いないと、ボギーに尋ねると案の定、招待もされていないのに突然おしかけた。2010年9月3日。これがこの世で彼女と会った最後となった。

そのひと月後、彼女から手紙をもらった
私が渡した手紙とコンピのカバー曲への返事のつもりだったのだろう
私はこの手紙のお礼を伝えられないままだった
その中でもまた、こっちのことを励ましてくれ続けた
この期におよんでまで
会ったときも、後のことばかり気にしていた
保険に入れとみんなに言ってた
訃報を聞いた朝、私は彼女の言いつけを思い返し、保険の資料を検討していた

私が選んだnoumi yoshieのカバー曲「sweet wind」は
原曲は英語詞のみで、ブックレットに訳詞が載っていた
英語の言い回しを少し変えさせてもらったのと(大城真くんに相談にのってもらいましたありがとう)、
最後を「歩くよ」と歌ったのは私の勝手な加筆だ
音楽家としても僧侶としても、何もしてあげられなかったが
そこへ、ささやかなメッセージを込めた
私に出来ることは何だったのか
せめて、この曲を聴いてくれて、彼女が少し安心してくれたら、と思った
彼女の娘、家族、友人たちへ、彼女が伝えたい気持ち
それはこの曲に、ちゃんと歌われている
彼女自身の言葉によって 彼女自身の歌によって
作ったときは、こんな日がくるなんて想像もしてなかった思うけど
今、残された私たちへ、よしえからのメッセージのように思えてくるので
彼女の歌詞と、彼女からの手紙を、書き写させてもらうことにする
よしえちゃん、返事かかんとってから、今さら勝手にごめんよ。
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Dear:ニカイドさん
やっと手紙がかけています。
9/3はすごいサプライズを本当にありがとう。びっくりしすぎていっしゅん声がでなかった(笑)
トリビュート 何度もきいてますが、ニカイドさんなんであたしの気持ちわかるの?てくらいです。感動しました。何度も言ってますが あたしがソロをはじめたあこがれの存在はニカイドさんです。だからカバーしてもらえる、こんな日がくるなんて、原因がなんであれ素直によろこぼっと思っています。ありがとう。
あと、病気のことですが、このままいくと、あと あたしの命は短いと3ヶ月です。最近はやはりだいぶ弱ってきて、ちょっと歩くのもしんどくなってきたり、はんぱない出血量だったり、なかなか思ったようにならない日も多いけど、その中でも少しずつだけど 新しいアルバムを作っていたり、ライブをしたりしているよ。アルバムはまにあわせたいなぁと思っているよ。今しか作れないもの残したいなあって。
あたしは、ニカイドさんに一生歌手でいてほしいよ。
あたしはニカイドさんに こんなにえいきょううけて感動もらったから、もっともっとたくさんの人がきっとニカイドさんに感動もらえて、うたったりするんだよ。きっと。
そんでもって、ニカイドさんの坊主の仕事も 人助けできる仕事でかっこいいって思う。仕事って人のためにならんといかんよねって心から思います。
あと、ニカイドさんわかってくれてると思うけど、わたしはわたしの今の現状をかわいそうとは思ってません。受け入れたし、いい人生だったと思えます。でも、一日でも長くじゅみょうが続くように努力はしようと思います。がんばるね。11/23の対バン、楽しみにしているよ。特別な対バンだよ。福岡でまっているね。ではでは最高の誕生日プレゼントでした。 FROM:よしえ
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「Sweet Wind」

I’ll play, make a good time
I’ll hope want you to miss me
I’ll play, make a good song
I’ll hope you need me

tu tu tu happy time
tu tu tu walk with you
tu tu tu every day

tu tu tu happy my day
tu tu tu walk with you
tu tu tu all the time

素敵な時間を作るよ
私がいないと 恋しいと思ってほしい
素敵な歌を作るよ
私を必要としてほしい

幸せな時
一緒に歩きたい
一緒に歩きたい
毎日ね
一緒に歩きたい
一緒に歩くよ
一緒に歩くよ
一緒に歩くよ
一緒に歩くよ
一緒に歩くよ
毎日ね

「sweet wind」試聴・配信/OTOTOY
noumi yoshie オリジナル 配信/OTOTOY

よしえ20100903.jpg

2010.09.03

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2010.11.07

11月7日未明

よしえが息を引き取った
とさっき知らせを受けた
今からひとりで仏前にて勤行する
よしえちゃん おつかれさまだったね
よくがんばった えらい よしえはえらい
ものすごい響いてます
これからもずっと
ありがとう
すっごい ありがとう

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