二階堂和美 nikaido kazumi

diary

2009.05.26

マンガン記念館が今週末で閉館

もっとちゃんと考えてから書いたらいいんだけど
間に合わないから、殴り書きを垂れ流しします。

1月に六本木のスーパーデラックスにて行われた出版パーティでご一緒させていただきました美術作家の高嶺格(たかみねただす)さんの著書「在日の恋人」のことは、以前、当WEBでも紹介させていただきましたが、(NEWSのこことかDiaryのこことかで)その舞台となったマンガン記念館が、今月末で閉館となります。
あの2003年10月、アメリカツアー直前、完全アンプラグド真っ暗闇30人限定洞窟ライブ、後にも先にもあんなワンマンライブは二度とないであろうあのライブを、やらせていただいたあの場所が。閉館。
わたしにとっては自分がライブをさせていただくことになってはじめて知った場所でしたが、単なる天然の洞窟ではありませんでした。鉱山採掘のために掘られた坑、それも朝鮮から強制連行された方々が、じん肺被害に遭いながら働かされていた場所でした。それが今日まで、被害側である朝鮮の方によって運営されてきました。
高嶺さんとのつながりで、この歴史と、現代まで連綿と未解決になっている問題について知り、考える機会を得たことは、有り難く貴重なご縁でした。
高嶺さんの著書「在日の恋人」は京都ビエンナーレの出品作品の制作日記です。朝鮮人である恋人(現在は「妻」となられました)との関係をこのマンガン記念館との関わりを通して深めてゆかれる様子が、ふつうになんの歴史も知らず生きてきた私たちと相通ずる目線で、しかしながらクリエイターとしての大変興味深い視点と快文でつづられています。(私も恐れ多くも「ニカ様」として何回も出てきます。人の日記につづってもらえるなんて嬉しいものですね!)
閉館まで、あと一週間を切ってしまいましたが、是非とも全国から、訪れておいて欲しい場所です。
マンガン記念館を運営してこられた李さんの言葉が心に残ったので引用させていただきます。

「日本には日本国営の従軍慰安婦も強制連行博物館もない。つまり国営の加害の博物館は全くないのである。つまり日本政府は加害の歴史を残したくないという表れに他ならない。(中略)その加害行為を博物化することが不戦への道であり前の戦争の本当の反省てあります。」

私には個人的なレベルの話しか、今は出来ないけれど、
私は、謝るというのは大事だと思います。
社会人になったとき、とある音楽業界の方から、「ビジネスでは非を認めたら負けだよ」と指南を受けたことがあります。すごくショックで、その後、その言葉がどこかでずっと尾を引いていました。そのときはほんとにびっくりしたけれど、その後納得するシーンに何度も遭遇しました。みんな結構謝らないでふんばるのだなあと。客観的にみてると、へーなるほどーと思う。私も何度もぐっと謝意を我慢したことがある。社会の中での交渉事とか民事裁判とかで、一般的にもそういう習慣が身につきすぎてるのかもしれません。
けれど私は、自分の経験としての感想ですが、悪いことをした、という気持ちがあるのに、それを押さえ込むのはとても苦しい。ずっとずっと、苦しい思いが続く。謝ったらずいぶん楽になるのになあ、と思った。けれど、謝って仲直りしたいわけでもない、という相反する気持ちが働くこともある。だけど、悪かったことは認めたい。
ってことは、「~~したい」っていうただの私の欲でもあって、謝ってスッキリしたら、かえってだめなんじゃないか、とも思ったりする。悪いことをしたのに、スッキリしちゃだめなんじゃないか、と。まあ、悪いことしたら、謝ったからってそうそうすっきりするもんでもないけれど、
さっきから、「悪いこと」とか言ってますが、別に大きな犯罪とかいうわけではなくて、人を傷つけたりとか、壊したりとか盗ったり嘘ついたりとか、まあそういうことです。
こっちから謝って、「こちらこそ悪いところがあったね」となればいいけれど、「そうだろうがよ」とつけ込まれたらほんと、気悪い。謝ったつもりが、また逆上してしまう。結局自分も反省してなかったのかしら、とか思う。まあ、たいていは、どっちかだけ悪い、ってことはたぶんほんとはあんまり無い。人間関係の場合はたいていどっちにも何らかの原因があったりすることが多いんじゃないかと思う。10対0の事故とかは、うーんどう考えるのだろうか。今はわからないや。
だけど、お互いすっきりなんてしなくても、もう手遅れだとしても、反省の気持ちを表すか表さないかは、遅くなっても、伝えるべきなのかもしれません。という気がしています。
謝ると不利になる。不利って、だいたい金銭のことだと思いますが
つけ込まれる。まあそうなんですけど
私は仏教、浄土真宗の教えが好きなのは、謙虚な気持ちですべてを考えるからです。
ひとりひとりがもうちょと謙虚さをとりもどしたら、なんか、もうちょいましになる気がするんだけど。
だけど、行き過ぎた謙虚さは、かえって傲慢である、ということも、
注意しないといけないことなのですよね。

最近ニュースを見ていないので、新型インフルエンザ情報に疎いのですが
関西でのイベントは、誰もこないのかな?大人はうつりにくいとかいうのはデマ?
というわけで、今月中にマンガン記念館に行ってください。
5月30日のイベントは私は一番に出演します。7時くらいまではバスがあるようです。
詳しいことは、こちらをご覧ください。
翌日、私は出演しませんが、31日がほんとの閉館パーティなのです。