二階堂和美 nikaido kazumi

library

つれづれにか vol.5

掲載:QUATTRO PRESS vol.52

 年度あけて春。これをあなたが読んでくれている今、私は英国スコットランドにてライブツアーがんばっているよ~。
 冬に始まった私の新しいアルバムの制作ももう架橋。2月某日、大阪にてmama!milkのお二人と録音。靴を脱いで入るスタジオは初めてだった。たったそれだけのことがなんと人をリラックスさせるのだろう。普段わたしはライブでも裸足になったりするが、これはリラックスの意味と、踏ん張れるという事がある。かかとの高い靴や底の硬い靴では地面との間に距離と空間ができ、密着度が低く踏ん張りにくい。踏ん張れれば声がよく出る(私の場合だが)。ここの床は絨毯が張ってあって踏ん張り度は低かったが音が吸収されるのをいいことに暴れることができた。まず基本となるオルゴールと歌を別室に別れて同時に録る。オルゴールがあまりに音が小さいので、やむなく別室なのです。オルゴールをまわす祐子さんを、私からは見る事ができないが、祐子さん側には私の様子が映像で届けられていて、息を合わせてくれる。祐子さんのそばでオルゴール助手をしていた恒輔さんはヘッドフォンをしていなかくて、生で聞こえるオルゴールのちっこい音と、モニター上でノリノリで踊りながら歌いまくる無音の私の姿とのバランスが非常に奇妙で可笑しかったそうな!そうして作った基本のトラックに、ひとつひとつ重ねていく彼らの音。その一音一挙手一投足に、とても”音楽家”を感じた。いい録音だった。

index