二階堂和美 nikaido kazumi

diary

2018.01.24

『GFJB』リリースおめでとう!

本日1月24日、Gentle Forest Jazz Bandのニューアルバムが発売になります。
二階堂和美も一曲、ゲスト参加させてもらっています。
その経緯については、ふた月前、二階堂和美 with Gentle Forest Jazz Bandの活動をともすれば本人たち以上に愛してくれている、わがカクバリズムのスタッフが詳しく書いてくれていますが、
「NEWS 2017.11.24 Gentle Forest Jazz Bandのニューアルバムに二階堂和美がボーカル参加いたしました!]
自分が参加していようがいまいが、このアルバム、最高です。
これまでのジェントルのアルバムもよかったけれど、今回のこの勢いは、これまでのものとは比べものにならないくらいすさまじい。
それは音の迫力。大正解の録音方法。それが大成功。
きっと今後各インタビューとかで詳しく語られたものを目にできると思うけれど、
重ね録り、切り貼りによる修正が当たり前のこのご時世に、21人が「せーの」で、しかも同じ部屋で、もう絶対直しが効かないやり方で、1テイクか2テイクで決める。そんなことが出来るバンド、今ほんと少ないと思います。
しかもオリジナル曲でね。
『GOTTA-NI』もそれに近い形で進めたけれど、それでも音の小さい楽器は別の部屋で、とかがいくつかはあった。
バンドも活動10数年を重ね、ライブも録音の経験も重ね、ついにこういうことを成し遂げられたのかなあ、なんて、わたしが関わらせてもらったのは、ほんのこの2年のことだけど、思います。
とにかく、大きいスピーカーで、大きい音で聴いてください。
なんか、往年の、いわゆる本物のミュージシャンのアルバムみたいな、そういうすごみが感じられる。
私とこのGentle Forest Jazz Bandが、音楽でガチッと一体化できるのって、そこかなと思っているんだけど、
そのころのミュージシャンの心意気みたいなものを、現代できっちりやって見せたい、みたいなところ。
それを諦めない、しぶとさ。うざいくらい。多少手荒でも。
そして、楽しいのがいい!というところ。
便利な機器がどんどん発達して、どんどん動物的能力が落ちていってる私たちではあるだろうけれど、それでも、そこを鍛えていきたい。挑んでいたい。
生楽器のおもしろさ。声もそうだけど、身体と心とが直結してる楽器だからね、もろにでるよね、その人が。
今回のアルバムは、誰がソロを吹いてるかっていうのもCDのクレジットに書いてあるのがナイス。特設ページのメンバー全員のコメントと合わせて、そういうのも楽しめる。
だって、人がやってるんだもの。
シスターズも三者三様。みんな単独で聞くと声質やキャラクター全然違うのに、あんなにうまいことハモって・・・。ほんとに確かな音程と音量の加減。
インスト曲と歌もの曲のバランスもいい。歌ものにおける、ジェントル久保田の歌詞のセンスもまたすごい。絶妙にきもい。それがシスターズのちょっと現実離れしたキャラにぴったり。今回MVにもなってる「月見るドール」はそれを象徴してる曲だと思った。

私が歌わせてもらっている「いつも心にシャボン玉」は、私の方から「歌わせて」と志願した曲。
いや、アルバム収録を志願したわけではなくて、去年の1月、小松正夫さんがライブで歌っておられるのを聞いて感動して、その場でCDを買って帰って、そのCDにインストバージョンがついてたものだから、もうその晩、それを流しながら歌を重ねてiphoneで録って、ジェントル久保田に送りつけて、その10日後のライブのアンコールで歌わせてもらえないか、と相当におしつけがましくプッシュした。そんなに勢いづいて何かをすることはたまにしかないけれど、それくらい「スタンダードとしてひろめなきゃ」って使命感を持った名曲。
このアルバムでも小松さんと同じ高さで歌っているから、自分にとってはちょっと高いのだけど、そういうのも「あの頃」っぽいというか、40~60年代のスタンダードのムードでいいかなと思って、そのままやらせてもらった。自分の個性とかそういうのはどうでもよくて、「いい曲が広く伝わってほしい」という一心だったので、私の歌唱でアルバムにも収録してもらえるなんて、ほんとに願ってもないくらい嬉しい。口ずさむときは、みなさん好きな高さで歌ってください。それがスタンダード。

最初に彼らを知ってから約10年、そのエンタテイメント力に「彼らと一緒にやりたい」と思い続け、それが8年越しでかなって、それも”満を持して”だなって思えたけれど、お互いそうして重ねた時間というのがほんとに力となってるように思われる。
まさに、現代の日本が誇るべき、最高のビッグバンドだと思います。
これまでもいろんな方と、いろんな編成を経験させてもらってきたけど、
こんなに身体が喜ぶことって、ほんとにめったになかった。
ひとりひとりが相当敏腕なプレイヤーな上に、それがよってたかって、音の塊になったり抑制したり拡がったりして攻めてくるんだから、そりゃもうね。
大所帯バンドにおける「アレンジ」っていうのがものすごく重要だっていうことも、彼らとやるまで知らなかった。フリースタイルで押し通してきた自分には、そのこともすごく刺激的でした。
これだけきっちり固まってるのに、むしろ歌が自由でいられるわけは、考え抜かれたアレンジにあると気づかされました。
「私、音楽好きかも」と再確認させてくれたビッグバンド。
メジャーデビューされて、ますます活躍の場が拡がることを、一ファンとして楽しみにしています。
ビッグになっても、時々はまた一緒にやって下さい。