二階堂和美 nikaido kazumi

diary

2012.02.23

失われる過去

2日くらい前、朝起きたら、マックブックの上に重い機械が乗っかってた。
あたー、痛そうなもんがあたったねえ かわいそうに
そう思って、あ、もしかしてやばいかも,とは思ったが
そのこと事態忘れて忙しくしており
今日開いてみたら、ディスプレイがしましま模様や流れ星模様になっていた。
あ~。そういえばそうだっ・・・た
と、ツボ押しするかんじで、「おーい、おーい」と呼んで押したりひねったりしてたら
どんどんしましまが増えて画面が塗りつぶされていって
とうとう何も見えなくなってしまった
ねんざしてた骨を折ってしまったようだ
かわいそうに。悪いことをした。
多くの未バックアップのデータがあったろうに。
かわいそうなことをした。
最近あれで仕事をしていなかったので、なにが失われたのかよくわからない。
あとになって、あれがない、これがない、となるのだろうが
あったことさえ忘れられてしまうデータがほとんどだろう
よく、パソコンが壊れる
USBメモリーも、あてにして投げ込んでたら、壊れる
携帯もよく壊れる
なくすことに、ちょっと慣れてきている

このMacBookは、去年の8月にも一度あきらめていて
それは、カナダに行ったとき。
乗り換えの空港のセキュリティでバックからパソコンを取り出してバットの上に置いて
そのまま置いてきてしまった。
バットが白くて、パソコンも白くて、気がつかなかったんだよ。
到着地のバンクーバーで気がついて
現地のイベントのオーガナイザーさんに通訳でお世話になりながら
その後、アメリカに渡ってひきつづきタラジェーンに通訳でお世話になりながら
2週間後、手元に戻ってきた。
アメリカでパソコンが戻ってくるなんて、奇跡だ、とタラの友達が言ってた。
ポートランドのタラの友達のパン屋さんにて再会したときの、MacBookとの友情感。
そのときの遺失物コードみたいなシールはまだ記念に貼ってあるが
あの再会の喜びもつかの間、懲りずにそのまま、バックアップをとらずに
取り急ぎ取り急ぎで働いてもらっていたから
きっと機嫌を損ねたんでしょう
メンテナンス、というのがいるんだね
人も機械も
目をかけてやらにゃあ、いけんのよね
わるいことした。
データだけでも救出できるんならいいけど
広島にアップルストアはないし
買った電気屋さん、遠いし
しばらくそんなとこまで行く暇ないし
(骨を折ってしばらく病院に行かなかった円盤の田口さんのことを思い出した)
にじみの旅の道中は、ずっと持ち歩いていたのに、ほとんどひらくことはなかった
そんな暇はなかった
けどずっと一緒にまわったな
にじみもずっと一緒に作ったな
おまえー

♪ つ~ぅいて こいとぉぉは~ 言~わぬぅのぉにーぃぃい
 だ~まあっってあとかぁぁら~ ついぃてぇきぃたー
 おぉぉ~れえがぁ 二十歳で おまえが十九
 さげた手鍋のその中にゃ
 明日の飯さえ なかったなぁぁぁあ~ おま~え

村田英雄「夫婦春秋」

死んだおじいちゃんの十八番だったからおぼえた歌
なぜか、わりと頻繁に口ずさむ

今日は門徒さんのお通夜を勤めさせてもらって
法話もさせてもらったけど
この世での命はなくなってしまっても
私たちのなかで、その命は生き続ける
それが「死んで仏になる」ということ

形がなくなってしまったものも
大切なものは、心に生き残って、なんらかの形でまた
にじみ出てくるじゃろう

今日おばあちゃんを認知症の病院に連れ添って行ったんだが
何をするでもない、ただ、4ヶ月に一回、先生に会いに行くだけ
たあいもない話をして
あれがメンテナンスなんだな
でも先生、転勤で、次の時にはもう会えない
さみしいけれど、恩人
先生が処方してくれた薬の調合が、ばあちゃんを助けてくれた
私たちを助けてくれた
その恩はこれからもずっと続く

Windowsでも書き込みができるようになった

未来は必ず希望に満ちていなければならない