二階堂和美 nikaido kazumi

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2012.06.13

『たねⅠ』へ、岡村詩野さんからいただいたコメント

一つ前の記事で触れました(こちら)、
『たねⅠ』CDリリース当時の2001年(11年前・・・)、フライヤーのためにライターの岡村詩野さんがしたためてくださったライナーノーツが、このたびのアナログ・エディション発売を記念して、ディスクユニオンのサイトでアップされました。
下記にも掲載させていただきます!

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 天使に出会ったようだった。
 二階堂和美を初めて見たのは、昨年5月、吉祥寺にある小さなライブ・ハウスでのことだった。ステージにあがってきた彼女は、体を丸めるように椅子に座り、半笑いを浮かべながら、おもむろに歌い始めたのだ。そして、そこから聞こえてきた歌は……そう、天使の声のようだった。
 一般的な天使のイメージがどういうものかなんて知らない。興味がない。けれど、顔をクシャクシャにしながら、時折うすら笑いでシャクりあげながら、猫背気味にマイクに向かって声を発する二階堂和美の姿は紛れもなく天使そのものだった。その歌声は、聴く人を幸せにするエンジェリン・ヴォイスだった。だって彼女の歌を聴いたその日1日、私はすごうくハッピーだったんだもの。その日から今日まで私はハッピーだったんだもの。
 あれから1年半、久々に再会した二階堂和美はやっぱり天使だった。ふわふわと空を自由に飛び回り、ゆらゆらと雲の合間をたなびく気ままなエンジェル。いや、最初は少し驚いたのだ。デヴィッド・グラブスの来日公演の会場で”あれからCD作ったんです”と言って手渡してくれたもの――それがこの『たねⅠ』だったのだけど、そこにはたった1年ちょっとで驚くほど成長した彼女がいた。しっかりと自分の足元を見つめ、そして次に天を見上げて飛び立とうとする凛とした彼女がいた。けれど、その顔は、やっぱりあのクシャクシャの笑顔でいっぱいだった。ヘラヘラとうすら笑いを浮かべていたのだ。そして、私はやっぱりハッピーになった。
 あの日、あの時、誰かが彼女の歌声を聴いてこんなことを言ってたっけ。”ブルーズだ!”。そう、ブルーズとは天使の歌声そのものだ。そして、天使の歌声とはブルーズそのものでもある。ヴィム・ヴェンダースの『ベルリン天使の詩』は私たちにそうおしえてくれたじゃないか。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のビョークもそうだった。そして今、二階堂和美は歌う、歌う、歌う。笑う、笑う、笑う。
 そう、天使はここにいる。

2001年9月  

二階堂和美に愛と笑顔をこめて――岡村詩野

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その後岡村さんとは、リリースごとにどこかで必ずお話させてもらっています。
ネット上で見られるのはこちら「e-days」、2008年時のもの(全3ページ)。
『にじみ』の際には、「ミュージック・マガジン」(2011.8)、「FUDGE」(2011.8)でロングインタビューを掲載くださったり、フカミマドカさんとのラジオ番組「nishiazabu record store」にも出演させてもらいました。そのフカミさんにも、当時コメントいただいてたんでした!それも掲載させていただきます。

岡村さん、フカミさん、ありがとうございました!

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こうして彼女の紹介をできるってことはホントに光栄。
彼女はボクにとって唯一無二の存在なのです。彼女の歌世界、歌声、空気感、
そういったもの全てがどこにもなかったものなのですよ。
そんな彼女、二階堂和美、リスペクト。
こんなにココロに引っかかる何かを持った人をボクは知らない。

フカミマドカ(colla disc A&R) 2001年