二階堂和美 nikaido kazumi

diary

2011.10.13

にじみバンドメンバーファイル5: 黒瀬みどり

そして。ピアニスト、黒瀬みどり。
みどり岩木.jpgわたしの住む家から車で20分位のところに住んでいる、最も近くのメンバーであるとともに、場所のみならず、信頼関係としても世界中でもっとも近い音楽仲間。
2歳からピアノをはじめ、幼い頃は作曲家を目指していたらしいが、音大系の雰囲気が無理でその線から離脱して老人ホームや施設でのボランティア演奏とお酒屋さんのバイトに従事していた。現在は一児の母。ずっと広島在住。
2008年夏、母の知り合いだからということでしぶしぶ出演した、宮島トライアスロン大会前夜祭。私が入り時間に現場に着いたら、地元の和太鼓のグループが先にリハーサルをしていた。そこの大将がみどりさんを指差し、「この子はできる子じゃけえ、一緒にやったらええ」とかなり強引に言うので、じゃあ、とその日やろうと思っていた「365日のマーチ」の譜面を渡してみたら、つるつるっと弾いてくれた。おろろ?ってことで「幸せハッピー」「あなたと歩くの」のコード譜も渡してみたら、コードしか書いてなかったのにそっちもつるつるっと弾いてくれた。なんで?知らんやろこの曲?しかもその目が輝きすぎててヤバかった。瞳孔が開いたままキラキラしていた。話してみると音楽はもっぱらボランティアが多く、普段は家族の介護をしているという。ばあちゃんの介護をしていた私は妙に親近感がわいた。
その1年後、これもしぶしぶうけた地元の極小納涼祭を前に、困った困ったとほざいていたら、母が「あの時のみどりちゃんも出るよ、納涼祭でもあの子に弾いてもらったらええじゃ」と公民館のサマーコンサートのチラシを差し出した。演目に「港町十三番地」や「Top of the World」とかあった。私よりも11歳も若いのに、なんでそんな古い曲を知っているんだろうと思いながら見に行ったらすごくよかったのでその場で口説いて、その後に続く。

みどり立誠.jpg彼女がいなかったら『にじみ』はなかった。彼女の存在が、私に火をつけた。

レコーディングの段取り開始と同時期に妊娠が発覚、お腹の子とともに着手記念ライブやレコーディングをこなし、マスタリングの翌日に予定日よりも半月も早く出産。産後、彼女と赤ちゃんが落ち着くのを待って、ようやくスタートするこの”にじみの旅”なのです。