二階堂和美 nikaido kazumi

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つれづれにか vol.11

掲載:QUATTRO PRESS vol.58 / PARCO-CITY FLYER 2006 November

 紅白歌合戦に出たいとやたら言っている。後ろには混声合唱団、そして指揮者とオーケストラ。それこそが私の思う紅白であり、幼少よりNHKによって植え付けられたエンタテインメントの王道の姿。そこに登場する歌手。先日の「二階堂和美のアルバム発売記念ライブ」で、渋谷クラブクアトロでは、サケロック、渋谷毅さん、テニスコーツ、大阪シャングリラでは、赤犬、渋谷毅さん、ママミルクによる最高のバンド編成で歌わせてもらって、たくさんのお客さんに見守られ、ほんとうに幸せで、ありがたかった。ありがとう。しかしおかげでもう紅白欲が満たされてしまったよ。
 「お見事!」と思わず唸る、そんな歌い手さんに出会うとほんとに嬉しい。歌手、というときイメージする方、そのひとりが、ちあきなおみさん。あの立ち姿。衣装。メイク。声の厚み。好きな曲は少ないが時々釘付けになる。また、国民的歌手というと、美空ひばりさんだろう。誰でも知っているということ、これはやっぱりすごいことだ。彼女をミュージシャンなんて呼び方はしないもの。人間的魅力も大きい。しかしいくらいい歌手が現れても、いい曲に出会わないとダメなのが歌手のむごいところだ。笠置シヅ子さんが素晴らしいのは、服部良一さんの曲もまた素晴らしいからなのだ。「演歌以前」でよかった。演歌のあの向上心のなさはいったい何なのだろう。カラオケのせいか?と思うと恨めしくもある。あれ、なんか辛口批評になってしまった。最近テレビに出ている方で上手いなあと思うのは夏川りみさん。あとは京都で2児の母をしながらマイペースに活動する渡辺智江さん:通称べーちゃんは、私の知る同世代の国民的歌手のオーラ第1位だ。テレビに出て欲しい、なんて思うのは完全なミーハー心。

二階堂和美のアルバム発売記念ライブ

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