二階堂和美 nikaido kazumi

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つれづれにか vol.45

掲載:QUATTRO PRESS vol.91 / PARCO-CITY FLYER 2009 November

 3年半前の海外ツアー日記の連載が終わったと同時に、先月、2年ぶりの海外ツアーに行ってきました。赤道挟んで反対側のオーストラリア。日本が夏から秋に向かう頃、あちらはちょうど冬から春を迎えるところでした。時差はなく季節だけ真反対。考えてみると西洋ぽい人たちが住んでいる国の中では日本とも一番近いのでしょうか、日本語を話せる方が意外といて、ライブの後など、日本語で話しかけてきてくれる人がたくさんいました。
 しかしさすがに広い国で、都市の移動はすべて飛行機、2週間の滞在で8回乗りました。空からみる景色にその国土の広大さを思い知るのはもちろんのことながら、今回、ジェットスターとヴァージンブルーという2社の飛行機に乗りましたが、ヴァージンの色気ムンムンぶりには目を奪われました。機内放送の自社アピール映像も、空港でみんながみんな振り返る、その先にあるものは、真っ赤な制服に身を包んだバージンアトランティックのスチュワーデスたち。もうひとつのバージョンは、モデルのような美人が機内に乗ってきて、それをとりまくスチュワーデスたちも、ピチピチフィットな白シャツ&ベージュのタイトスカートで、執拗におしりをプリプリふって、ポージングしながらお世話をするというもの。そのセクシーアピールがどういう効果を出すのかは疑問ですが、繰り返し流されるその映像に何回でもつい見入ってしまう私のような人がいて、ヴァージンの色気は確かに脳裏に刻まれます。緊急脱出の説明パネルひとつとってみても、なぜここまで色っぽくしなければならないのか、それに引き替えジェットスターの色気のなさが際だちます。(写真参照)。確かに色っぽい絵のほうが、まじまじと見入ってしまいますが、本題から逸れる余計な情報のような気もします。
 旅は、こういう道中の、しょうもないことに出会えるのがおもしろくて、つい出かけてしまうのです。
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