二階堂和美 nikaido kazumi

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つれづれにか vol.28

掲載:QUATTRO PRESS vol.74 / PARCO-CITY FLYER 2008 June

イギリス/スコットランド ツアー 2006 日記 その2

4月5日
 成田空港で青柳さんと待ち合わせる。今回のツアーは、前々年に来日した際仲良くなったイギリス人ピアニスト、ビル・ウェルズのがんばりによるもの。彼がスコットランドのアートカウンシルに申請して承諾され、国だか州だかの芸術予算で私たちはツアーさせてもらった。ビルに大感謝。日本からはマヘル・シャラル・ハッシュ・バズの工藤冬里さん&礼子さん、テニスコーツのさやさん&植野隆司さん、とカーマ・アイナの青柳拓次さんと私が招聘された。イギリスにて、ビルと、工藤ナミオくん、スペシャルゲストでパステルズのカトリーナ・ミッチェルと合流予定。さて、青柳さんとはビルの前年の来日の時、ライブ会場で一度会って挨拶したことがあるだけ、ほとんど初対面に近かったが、他のメンバーはそれぞれ各国からイギリス入りするため、この日は青柳さんとロンドンまでご一緒させて頂くことに。飛行機の席はすこし離れていたのでそれぞれに楽しむ。映画『プロデューサーズ』を見る。英語のままでよくわからないが、ユマ・サーマンのマリリンモンローばりのお色気とコメディアンぶりが潔くて見事。
 おととい、足掛け4年のアルバムをマスタリング(音源をCDにする最終仕上げの作業)した。4ヶ月後に『二階堂和美のアルバム』としてリリースされるアルバム。初冬に始まった録音から、ずっと気が張りっぱなしだった。それがようやく、終結を迎えた。飛行機の中で、おそるおそるマスタリングされたアルバムを聴いた。もう確認ではない。これが完成形。抜け殻・・・放心・・・。ベッドにもたれ込むような心持ちで旅に出てきた。轟音の中で聴きながら眠った。(つづく)
ビル・ウェルズ

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