二階堂和美 nikaido kazumi

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つれづれにか vol.27

掲載:QUATTRO PRESS vol.73 / PARCO-CITY FLYER 2008 May

イギリス/スコットランド ツアー 2006 日記 その1

 このコラムを始めて2年余り、27回目を迎えました。毎月なんとなく思いついたことを書かせてもらっていましたが、ここらでちょっと気分転換。海外ツアー日記をまとめてみたいと思います。2003年の私の初海外ツアーだったアメリカ西海岸4週間の旅は、そのドキュメンタリーがDVDとCDの3枚組でリリースされ、日記も封入、一応の記憶を留めることに成功しましたが、その後のツアーはホームページでそのうちに・・・と思いながらもタイミングを逃し、まいっかこのまま流そうか。いや待て。というわけでいっそ毎月書かせていただくこの場を借りて、思い出し日記を綴らせていただこうという魂胆です。
 ツアー中というのは、むしろ普段より時間があるもの。パソコンなど持って出てしまうとそうもいかないが、おいていってしまえばしめたもの。しかも海外となると携帯電話もつながらない。事務的なやりとりから解放され、外の世界をゆっくり見聞きする時間、そしてそれを内面へ返し、向きあう時間が現れる。普段はまともな日記をつける余裕もなく過ぎてゆくけれど、ツアーは期間限定だからそこをなんとかがんばる。まずはそのツアー専用のメモノートを一冊用意。常に持ち歩けるよう、ポケットに入るくらいの小さなもの。できればその土地のものを、往きの空港か現地に着いてすぐのキヨスクあたりで入手したいところだが、旅に出る前に控えておきたい連絡先もあるから、日本から持っていったっていい。旅先でのすべてのメモ、スケッチをその一冊に投げ込む。ツアーの予定、場所、買ったもの、出会った人の名前、ビールのラベルの絵、CDの残り枚数、などなど。
 そもそもツアー日記を書こうなんて思いついたのは季節のせい。春がくれば春のことを思い出す。というわけで2年前の4月に行った、イギリス/スコットランドツアーの3週間について連載していきたいと思います。と、ここで字数制限。つづきはまた来月。
スーツケース

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