二階堂和美 nikaido kazumi

diary

2010.02.22

大山超えて

堂脈、「solo」、スコットランドツアー、イワト、そして絵かき歌ライブと
冬の大きな山を越しました。
あれからまだ1週間以内くらいかと思っていたら、結構過ぎてた

絵かき歌山は厳しい山だった
ほんとに、前5日間くらいは容量オーバーで頭が破れそうだった
後頭部の下の方がほんとに痛くて重くて それって何をつかさどるところだったんだろう
でも終わってみれば、やらせてもらえてよかったなあ
おちついてみると、もっとよさそうなアイデアがいろいろ浮かぶ
はじめてのことというのはそういうものだろう
そのうちアニメーションにしたいと思っています
なんでこのメンバーだったんだろうというおもしろさがあった
それも冷静に判断してなかったからこそのありえなさがあってよかった
東京でもこのメンバーで再演したいと思っています

終わって翌日、開放感に満ちて帰る帰路、
高速道路で車線変更禁止で覆面に捕まって
「1年以内に何か違反をしましたか」と問われ
ちょうど363日前にしていた 惜しい
去年の誕生日、一方通行逆送を自転車に乗ったおまわりさんに見られていた
生年月日を尋ねられ、「2月14日です」「・・・(ん?)今日ですか?」。
それでも見逃してはくれないものです つい状況のあほらしさに笑ってしまってるからかな
そういえばこないだイギリスで入国審査の時、
PAさんと二人で、質問に英語でうまく答えられずについ笑ってしまったら厳しく怒られた。
笑ってはいけないことも時々ある
こないだ財布と一緒に免許証をなくしたのも更新受付開始の直前で
うーん、ばからしいと思いながら講習受ける暇がなくて再交付したり
しょうもないお金の落とし方が多い年始めであります

そんな山を越えて、寝て起きたら、オリンピックが始まった模様
つい開会式を眺めてぼさーっと過ごす 長い 長すぎる それより聖火リレーの模様の編集映像をもうちょっと長く見せてもいいんじゃないか?と思った 退屈だなあと思いながら なんかテレビを見るというのは余裕のあるときの象徴のような感じがして、実行。
あと映画を観るというのも同じ。ロンドン行き飛行機内で見てすごくよかったディズニー映画「カールじいさんの空とぶ家」を、甥っ子と姪っ子を連れて見にいく。最初の数分で、こどもから一気にじいさんになる、あの台詞なく進むシーンにノックアウトされた。原語の英語のまま見たのだけれど、相手役の女の子の声がすごい魅力的だなあと思っていたら、その後台詞ないまま死んでしまった。衝撃。事前にストーリー知らなくてよかったなあ。
あとテレビでやってた「ガンジー」も見た。「ハンサムスーツ」も見た。
「風の谷のナウシカ」も途中まで見た。ナウシカの声も顔もキャラもやばいが音楽がやばいなああれは。心がざわざわしすぎる。引き込まれすぎる。あの映画は麻薬じみている。恐ろしくてまともに通して見たことがない。途中から、とか途中まで、とかばかり。結局そうやって断片でテレビで何回か見ている。いいかげん、まともに見たい。とは思っている。
どうもDVDで見るのがあまり好きではない。横川シネマの10周年記念本にも書いたけれど、映画に、こちらの都合で一時停止できる便利さがあってはならない、となんとなく思っている。今日見ないと、またいつ見られるかわからないという感覚においては、映画館で見るのの次に支配的な、テレビ放映のほうが、煩わしいコマーシャルがあるデメリットを差し引いても、分があるような気がする。

昨日、広島現代美術館で見た「一人快芸術」という展覧会がすごく面白かった。どれもよかった。
中でも、電車の写真を撮ってた並木運美さん、新聞紙に自画像を描いてた吉村芳生さんはやっぱりすごいと思った。この展覧会、普通は作品の横にタイトルと制作年、画材が書いてあるだけなところが多いけれど、その横に作家の生年月日や経歴などが添えてあるのがとても親切だと思った。読みたくない人は読まなければいいけど、わたしは面白いなと思ったらもっと知りたいから読む。面白くないけどなと思ったら、でもなんか面白いところがあるんじゃないかと探したくてやっぱり読む。カタログを買うといつでも読めると思って読まないけど、あそこでなら読む。CDも、買うとライナー読まないけど、お店のキャプションは読む。岡啓輔さんの紹介文を読みながらあれ?岡画朗?の、岡さんなら知ってるじゃん私、へえ~なんか嬉しいなあ!と思っていたら出口で本人に会った。憶えていてくれた。話をしながら歩いた。おもしろかった。展覧会は今日終わった。「明日マイアミがここでライブするよ」なんていうから今日も行った。旧友に会えて嬉しかった。そういえばこないだ渋谷のホームで小川てつオくんにも会った。二言三言しゃべったが、彼は私のことわかっていなかったかもしれないな。ばったり会うと一瞬誰かわからないことがある。ライブ会場で会う人にもよくある。そういえば、エゴのよっちゃんとも羽田に向かう電車の中で会ったことがある。私が座って1分後くらいに、ふわっとした色使いとテクスチャーの人が乗ってきて目の前に座った。あれ?て思うけどちょっと自信がなくて、相手がこちらに反応があってはじめて、あ、当たり!と思う。空港でハンバーガーを一緒に食べた。初めてふたりきりで食事をしてなんか楽しかった。あれは9月だったっけな。その後o’eastのライブに来てくれて、ハモりやってみたいねんって年末エゴワンマンに誘ってくれた。
こないだイワトのワンマンに、ボーズさんとかわなべひろしさんが来てくださった。あんな長いライブに付き合わせてしまって恐縮ではあったが、ものすごく嬉しかった。ボーズさんが私の歌うのを聞いてくれているとか、スペシャルすぎてもうわからない。
なんか自分に関係してくださる方のお名前を名指しで書き連ねてしまって、みなさん現役でいらっしゃるのに公開しては失礼なこともあるかもしれず、すみません。そういえば先週見た、90才で現役のバンドネオン奏者であられる、佐川峯さんのライブでも往年の友人知人のエピソードMCが炸裂していた。佐川さんは演奏の合間合間に、下町江戸弁で「この年でバンドネオンしいてるのは」と、「弾いてる」を「しいてる」「しいてる」いいながら、李香蘭さんのバックで演奏してたとか、淡谷のり子さんに誘われたとか、出てくる名前がいちいちビッグネームで、自慢話ではあるけれども上手に自分をおとしながら敬ってお話しなさる。もう亡くなった方ばかりで、嘘でもほんとでも、他に聞ける人もいない。演奏が上手いか下手かなんかはもはやわからないが、その人が今、目の前にいて、演奏しているってことがすごい。しかもこの江戸っ子がなぜか広島に住んでいるという。新曲の「ふりむけばタンゴ」という曲へ五木寛之さんが歌詞をつけてくださった、まあだれかが歌ってくれてそのうち出ると思いますからよろしく、と言っておられたが、その歌い手として適任はたぶん私じゃあないか?などと内心思った。
その佐川さん、後継者がいないと寂しそうに言っておられた。お金はかからない、楽器はあと5つあるから大丈夫、お月謝とかもいらないですよ、その代わり私がいいというまで帰さないけどね、といっておられた。そんなそこいらの習い事じゃあないんだよ、と。この楽器を弾(し)いてみたいと思う人(しと)があったらいくらでも教えますから、そういう人(しと)がいたら連絡ください名刺を渡しますから、と
そういえば、9月にオーストラリアでライブを見た、ヴァン・ダイク・パークス氏も名刺を配っていた。私ももらった。私たちが日本から来たと言うと、日本は私は好きだよ~日本といえばhosonoがすばらしい音楽家だよね、というようなこと、他にもたこやきがどうだとか、なんか日本の民話の話をしてくれたり、ライブ前なのにいろいろお話してくれた。ピアノのタッチがものすごく力強くてびっくりした。
というわけで、佐川峯さんに弟子入りしたいという方があったら、是非ご本人か私かにご連絡ください。